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理系大学生、初心者本読みの感想文No.3『綴られる恋人』

こんにちは。今回は第三弾ということで井上荒野著の『綴られた愛人』についてお話ししたいと思います。著者である井上荒野さんの父も直木賞候補に選ばれるほどの有名な作家で彼女自身は直木賞作家です。親子で成功した作家なんですね。

この本を手に取ったきっけは表紙に色気がありました。表紙の色気に吸い寄せられました(笑)。

この本のあらすじは、編集者である夫の言いなりになっている人気作家である「柚」と、将来も見えない、信頼できる人間もいない、さえない大学生「航大」の二人が「綴り人の会」という匿名の手紙を送ることのできるサイトを通じて知り合い文通を始める。そんな中、柚は航大に夫を殺してくれという内容の手紙を送る。そしてついに航大は柚のため、夫を殺す計画を実行する、、、、、。といった内容です。

この本で私が最も印象に残ったシーンはネタバレになりますが、航大が柚の夫を襲うシーンです。人を殴ったり、物理的に傷つけるとはこんなにも恐ろしい、不快なことなのかと感じました。うまく言葉で表現できませんが、人を殴るという行為は人を生体として壊すということなのだなと感じました。壊すからにはもとに戻らなくなるということを覚悟しなければならない。ごくごく当たり前のことですが人を傷つけてはいけないなと感じました。、またそれだけリアルな描写を書く井上荒野さんは本当にすごいと感じました。

リアルを錯覚させる言語ってすごい。また読みたいです。


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理系大学生、初心者本読みの感想文No.16『天国までの百マイル』

こんにちは。今回は第十六弾ということで浅田次郎さん著の『天国までの百マイル』についてお話ししたいと思います。この作品は初刊発行が1998年で2000年には映画化されている割と有名な作品ではないのでしょうか。この本は父の推薦本で、当時浪人生だった私にとって重なる部分が多い小説でした。

あらすじ

主人公は城所安夫。彼は一時期は隆盛を極めた不動産会社の社長であったが、大破産し妻子には逃げられ、おまけに前歯までないというまさに満身創痍の中年男。そんななか、母親の心臓病が悪化しこのままでは死が近いと宣告される。自分の再起と母親の命をかけ100マイル離れた病院まで母親を乗せ、車を走らせる、、。

感想

この小説は母親への感謝とどん底から這い上がってやるという気持ちをかき立てる小説でした。コンプレックスや負い目があっても何か譲れないもののために強い思いを込めて何かを成し遂げるという主人公を応援したくなりますし、人を育てるということの困難さや意味について考えさせられました。また母親を百マイル離れた病院まで自力で運転するという一見関係ない行為で主人公が自分を奮い立たせていき、再起へのきっかけにしている点に人間の不思議さを感じました。いい話でした。


理系大学生、初心者本読みの感想文No.15『夏なんてもういらない』

こんにちは。今回は第十五弾ということで額賀澪さん著の『夏なんてもういらない』についてお話ししたいと思います。この本が初版のときは、『潮風エスケープ』として刊行されましたが2019年に改題、改稿され発売されました。

あらすじ

主人公は多和田深冬、高校3年生、田舎の農家出身である彼女は、半ば両親の反対を押し切って地元から離れた高校で寮生活をしていた。通っている高校の附属大学で同じゼミで活動している潮田優弥に片思いしていた。夏休みはゼミの活動で潮田優弥の地元の「潮見島」で12年に一度開催される、「潮祭」の研究をしに行く。そこには地元を抜け出した深冬とは対照的に、生まれてから今まで15年間潮見島から出たことのない汐谷柑奈と、絶対に敵わない恋敵で12年前、深冬と同じように地元である潮見島を抜け出した汐谷渚が待っていた、、、。

感想

この小説を読んで感じたことは大きく分けて2つです。
1つ目はどこにいてもしがらみはあるのだなということです。島の伝統やしきたりから逃れるために島を抜け出した渚が深冬に放った「潮見島は別に何も特別な場所じゃなかったって」セリフが印象的でした。私たちが所属する集団は各集団ごとにルールがあって、その集団独特の空気があって、私たちはときどきそれが何かドロドロした沼の様に感じることがありますよね。どこに行ってもそうならうまく付き合っていくしかないのかもしれません。
2つ目は人は互いに影響しあいながら生きているのだなということです。「夏なんてもういらない」では主要な登場人物はあらすじで紹介した4人です。主人公である深冬は片思いしている優弥、自分と対照的な生き方をする柑奈、自分と似た考えで潮見島を飛び出した渚、この3人とぶつかりながら自分の生き方や考え方に迷いながら答えを出していきます。私たちの日常もきっとそうなんだと思います。周りの人に助けられ、ぶつかりながら生きています。こんなふうに考えると、「物語に触れる」=「人の人生を覗き見る」ことなんだなと感じます。最近は特に。登場人物の葛藤がいかにも若者らしく、若い私に刺さる小説でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


理系大学生、初心者本読みの感想文No.12 『哲学の解剖図鑑』

こんにちは。今回は第12回ということで小須田健著の『哲学の解剖図鑑』という本についてお話していきたいと思います。皆さんは哲学についてどう思いますか?私は生きる上で必要はないと思います。ないけど、ないけれども考えてしまう。そんな学問だと思います。


この本は私たち現代人に身近な疑問や一度は考えてしまうような疑問について、(例えば「自由って何?」、「お金って何?」など)何人かの哲学者、ソクラテス、ニーチェらの答えを紹介していき、その中で哲学者の紹介や、著書について追記されているといった内容です。

中でも私が一番印象に残った考え方は、アリストテレスの「幸福」についての考え方です。アリストテレスの考える幸福とは、「活動」をしている時なのだそうです。活動はその行為自体が目的となっている行動のことです。例えば、お金を稼ぐためにパンを作るのではなく、パンが作りたいからパンを作るのが「活動」らしいです。皆さんにはそのような時間はありますか?考えてみるとなかなか少なくありませんか?勉強するのは大学に行くため。本を読むのは知識を吸収するためなど、純粋にその行動だけが目的になることってとっても少ないですよね。なるだけ幸福に生きたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


理系大学生、初心者本読みの感想文No.11『象を射つ』

こんにちは。今回は第10回ということでジョージ・オーウェル著の『動物農場』という本の中に収録されている『象を射つ』についてお話していきたいと思います。ジョージ・オーウェルはイギリス出身の作家で二回の大戦中を生きています。彼は19歳~23歳の時に警察官としてインドのビルマに警察官として派遣されました。今回の作品はその期間で体験した出来事をもとに描いた作品のようです。

この本を手にとったきっかけ

私の父も本を読むのです。たまに面白い本はないかと父の本棚(粗雑に床に積まれているだけですが)を漁るのですが、その時に見つけた一冊。コミカルな表紙の割に裏表紙に書いてあるあらすじは全然コミカルじゃない。そのギャップに惹かれました。

あらすじ

主人公はイギリス人の警官。彼は当時イギリスの植民地であったインドはビルマに派遣されていた。もちろんイギリス人がインドを支配しているのだが、現地に行けばイギリス人のほうが圧倒的に少ない。完全にアウェーの土地で愚弄や嘲笑を受けながら彼は生活していた。そんな或る日、町で事件が起こる。象が暴れだしたのだ。警官の彼は現場に向かおうとする。向かう道中で見た光景は凄惨だった。阿鼻叫喚するインド人、その中には象に踏まれた遺体があった。ぬかるんだ地面に伏していた。象に背中を踏まれたらしく、背中の皮は爛れ顔には苦悶の表情を浮かべていた。彼はそれを見て心配になり、ライフルを持った。ライフルを持つと野次馬が彼の後をつけてきた。気が付けば彼の後ろには黒山の人だかりができていた。そうこうしているうちに象のもとへたどり着いた。
象はもうほとんど正気を取り戻し、暴れる気配はもうなかった。「あとは見張って、象使いが来るまで待てばいいだけだ。」彼はそう思った。しかし、後ろの野次馬たちは象がライフルによって死ぬショーを羨望しているのであった。誰が声を上げてそう言ったわけではない。それでも彼らの視線が、息遣いが、象を撃てと合唱している。彼は撃ちたくなかった。だが撃った。象はすぐには死ななかった。続けざまに何発か打った。ついにはライフルの弾はなくなった。それでも象はまだ生きていた。彼は自分が装備していた小型の拳銃で苦しみにあえぐ象の口内に撃ち込んだ。それでも象は生きていた。彼はついにその場から離れた。野次馬たちは象に群がっていった。

感想

周りの声や目線によって自分の正義が崩される瞬間ってなんだかとてもやるせなく、無力感を感じる瞬間といいますか、苦虫をかんだ感じがしますよね。皆さんは経験があるのでしょうか?そんなどろどろとした感覚がありありと浮かび上がってくる作品です。お話自体は短く、読みやすいのでぜひ読んでみてください。


理系大学生、初心者本読みの感想文ver.10 読みたい本たち

こんにちは。今回は第十回ということで私が最近気になっているけど、まだ読めていない本たちを紹介していきたいと思います。

哲学の解剖図鑑

最近は哲学に興味がありまして、そんな最中書店で見つけたのがこの本。哲学についての知識がほとんどない私にとっては軽いイラストなどがついているもののほうがとっつきやすいと思いました。この本では哲学そのものだけでなく哲学の歴史も知れるそうなので楽しみです。ぜひ読んでみたい!

ゼロからわかる!経営戦略見るだけノート

これも読みたい動機は大体上に同じです。最近までは「ちゃんとした書物のほうが信用できる!」と考えていたのですが、はじめのうちは読みやすいほうがうまくいく気がするのでイラスト多めの本にも手を出していって今後も紹介していきたいです。

罪と罰

これはドストエフスキー著の有名な作品ですよね。今までは日本の文学だけを読んできましたが海外の作家にも目を向けようと考えています。私は名作と呼ばれる本には多くの人に響くような高い芸術性と普遍的な思想が描かれていると信じています。これからも名著は教養を高めるという意味でもたくさん読んでいきたいです。

ハーン -草と鉄と羊-

これは漫画です。皆さんは「チンギスハンは実は日本から亡命した源義経だった」という説を聞いたことがありませんか?この漫画はその説を題材にしています。モンゴルの広大な土地で繰り広げられるモンゴル帝国建国までの物語。男子ならわくわくが止まらない内容だと思います。

今後この本たちを読んで気に入ればまた紹介していきたいと思います。ではまた次回!


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